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ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜

by 蔵月古書店

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 その店内の様子を黙って見回す黒鵺。そして一言。
「すまない」
 ガァ子が黒鵺の目の前まで来た時だった。そのカラスの姿が一瞬にしてその場から消える。そして消えた位置には一人の少女が立つ。
 歳の頃、10歳前後に見える少女。ただその大きな態度と喧嘩っ早いような鋭い目。それはガァ子そのものであり、実際にこれはガァ子がカラスから人へと変身した姿なのだ。
「すまないで済んだら警察はいらんのじゃ!!」
「ああ。そうだな」
 噛み付くガァ子。
 無表情に頷く黒鵺。
 そんな黒鵺の態度がさらに、ガァ子の怒りに油を注ぐ。
「あれほど店には出るなと言ったじゃろ!!」
「覚えている」
「覚えていて、何故こうなるのじゃ!!片付けるワシらの身にもなってみるのじゃ!!」
「すまない」
「まぁまぁ、ガァ子ちゃん。黒鵺さんも反省しているようですし」
 と沙夜子が二人の間に割って入るのだが。
「こいつの表情のどこに反省があるのじゃ!!?」
「あひゃっ!!」
 ガァ子、華麗に沙夜子を蹴り飛ばす。

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