ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜
by 蔵月古書店
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◇
その頃の沙夜子とガァ子。
「ガ、ガァ子ぢゃん……はぁはぁ、も、もう、無理でず……」
先程駆け出したばかりなのに……すでに沙夜子はフラフラと歩いていた。時々オエェッと何かがせり上がる。
「まだ大して走っていないのじゃ!!お前は一体いくつの年寄りじゃ!!?」
「ガァ子ちゃんは、はぁはぁ、人の頭の上に、はぁはぁ、乗っているだけだから、はぁはぁ、良いですけど、うぷっ」
「まだ5分も走っていないのじゃ!!」
「……運動は苦手なんですよぉ……」
沙夜子、バテる。そのままヨロヨロと軒下へと移動。
「お、お前、後で折檻じゃからな……」
ガァ子の眉尻がピクピクと引き攣っていた。これが人型のガァ子なら額に青筋がハッキリと浮かび上がっていただろう。ただいくらガァ子が怒ろうとも、沙夜子の体力が元に戻るワケではない。
沙夜子としてはビショ濡れなのが影響してか、もうどうにでもなれ、と半ば投げやり。
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