ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜
by 蔵月古書店
前へ [12ページ] 次へ
「……ごくりっ」
沙夜子が息を飲む。
タイトルが告げられた瞬間。
「きゅぅ」
沙夜子、直立不動のままブッ倒れた。
「……黒鵺」
「沙夜子はどうしたんだ?」
「その本……定価の二十倍以上する希少本なのじゃ」
「……すまない」
そして店内が片付いたのはそれから数時間後。深夜になってやっと元通りになるのだった。
それから数日後だった。
雨が降る、その日。
「あの、私たちすぐに帰ってきますから」
「店に出るでないぞ」
「ああ」
沙夜子とガァ子、二人の声に黒鵺は頷く。
「よし、沙夜子、雨が降ってきて心配なのじゃ。気を引き締めていくのじゃぞ!!」
その言葉に沙夜子は頷いた。
二人が揃って出掛ける。そして黒鵺は一人残される。
前へ [12ページ] 次へ
※ 途中のページでケータイの「お気に入り」に登録すると、本にしおりをはさむように読んだページが保存できます。
Copyright 2006 (c) Assem-blage, Kirio Yamamoto, Bokuboku, and Kuratsuki-Koshoten
ここに掲載されている全ての文章および画像その他の著作権は、文章および画像その他の提供者にあります。
著作権は各国で制定されている著作権法により保護されており、許可無く転載・複製行為を行う事は禁止されています。