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ぶっくさーばんと! 〜沙夜子のおつかい〜

by 蔵月古書店

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「うむ、ようやく終わったのじゃ」
 どこからかすい〜っと飛んできた三本足の鳥が、私の肩にとまるなり小さく溜息をついた。
「つかれました。とっても」
「相変わらず要領悪いなお前は。全然なっとらんのじゃ」
「そう言われても、私がんばりましたよぅ……」
「反論は三百年早い。毎度毎度召喚する魔物を決めず、儂に状況判断ばかりさせおって。だいたいな――」
 言葉を話す真っ黒な烏ことガァ子ちゃんは、労うどころか駄目出しの真っ最中。
 からからに乾いた喉を今すぐ潤したいのに、いつになったらこの反省会は終わるのですかぁ? 黒鵺さんはというと、ガァ子ちゃんに他の用を頼まれてこの場にはもういないのです。
「――そんなわけで、儂は先帰る。お前はこの用を済ませてから帰って来るのじゃ」
「はい?」
 ガァ子ちゃんは、いつの間にか足からぶら下げていた手下げを私に押し付けると、翼を広げて飛び去っていった。
 手下げの中を覗いてみると、中には小さな紙きれが一枚入っていた。そこに書いてあるものに心当たりがある私は、溜息をついてそれを手にする。
 ――ああやっぱり。
 それはお買い物リストだった。つまり、私に買い物してから帰ってこいと言っているのだ。
「とほほ……」
 午前零時に始まった今回の仕事は、ふと気が付けば東から朝日の先っぽが見えていた。

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